昭和58年、渥美二郎の歌でヒットした曲で、もう20年以上前の歌です。でも僕はその当時、この歌に興味を持っていませんでした。
「つばき咲く〜春なのに〜 あなたは〜帰らない〜」と言う出だしで、男女の別れを描いた典型的な演歌なのですが、僕は『トラワヨ プサンハンエ(帰れ釜山港へ)』と言う、チョーヨンピルの韓国語の歌詞で覚えています。
それは韓国語を習い始めて、最初に買ったCDに入っていました。
「コッピィイ〜ヌン〜 トンベクソメ〜 ポ〜ミ ワ〜ッコンマン〜・・・」と言う歌い出しで、日本語に訳すと「花咲く椿の島に、春は来たけれど、兄が去った釜山港には、カモメが悲しく泣くだけ・・・」と言う兄弟の別れを描いた歌なのです。
大陸続きの朝鮮半島では、日本を始め外国からの侵略や、朝鮮戦争などで家族が別れ別れになることが多かったのでしょう、20年も前のその当時は、別れと言うと男女の別れでは無く、家族の別離を思い浮かべたのです。
サビの部分、「オリュクト〜 トラカヌン〜 ヨンラクソンマダ〜・・・」(五六島を回って行く連絡船ごとに・・・)と言う歌詞を見ると、この歌の兄は、日本に行ったような気がしてなりません。
現代の関釜フェリーも、五六島の見える釜山港の沖に、夜明け前から通関の始まる8時までの間停泊しています。写真は平成12年の1月7日、低気圧の通過で荒れた玄界灘を、ようやくと乗り超えて着いた釜山港の入り口です。
この後も波が高く、フェリーは接岸できずに30分ほど桟橋近くを廻っていました。
このシリーズは随分前から考えていて、発端は『マンチェスターとリバプール』(ピンキーとフェラス)と言う歌でした。
僕が海外で訪ねる町は、考えて見ると美しく綺麗な町と言うよりは、どちらかと言うと辺鄙で、生活感があふれ、それでいてどこか心に響く、洒落た町のような気がします。(一体どんな町なんだ・・・!)
本当は『ディア オールド ストックホルム』(ジャズの名曲)あたりで、格好よく幕を開けたかったのですが、持ち合わせの写真が無く、仕方なく(?)思いついたのがこの歌です。(「これが一番合っていると言う人も居るかな・・・?)
学生時代に深夜放送から流れてきたこの歌を聞いて、「イギリスのマンチェスターやリバプールって、どんな町なんだろう・・・?」と思いを馳せたのがきっかけです。